信越五岳トレイル激闘記~第3章~こちらの3Aは40キロ手前となる。 バケツの中には冷えたトマトがあり、温泉まんじゅうも登場だ。 次の第1関門が52キロなので、この先の補給をしっかりしなくては!ストレッチとスペシャルの補給で約20分近く休んでいた。 日比谷店西野君が到着!『やっと追い付いた~!』彼はまだまだ余裕だ。こちらは先行するが、休憩が長いのでまた後で会えるだろう。 出発するタイミングで本店の七村さんが到着!『2Aから3Aのパートで体力的にやられた!』と苦笑い。 いよいよ関川沿いの林道を走り始める。こちらでは春のウルトラクリニックに参加頂いたFさんと走る。Fさんは膝に故障があり、無理はできないようだが確実にペースを刻んでいる。アシスタントを利用しながら身軽なスタイルだ。 40キロ 6時間13分38秒 1時間37分27秒 関川沿いはほぼフラットだが微妙に登っている。しかもまたまた砂利道が続くので、足裏が痛い。しかしこのフラットで稼がねば後半のアップダウンで余裕がなくなる。ランナーを抜くことが多くなり、徐々にペースが上がる。上空には国道・高速道路が走っていて、周辺は関川の涼しげな音だけが響いている。 後方を見やるとどこがで見た特徴のある走り方の女性が? 有里さんだ!軽快な足取りで坂を登ってくる。しばらく並走が続いたが、有里さんが一旦は前へ。しかしほとんどのランナーが歩いているので、『私も休憩する!』と言って歩き出したので、『じゃあお先に行ってます!』と自分のペースを守った。前にはお客さんランナーもいて『稼げる時に稼がないとまた登りですから!』と挨拶を交わした。その先に関川を反対側に渡るランナーの姿が見えてきた。まもなく登りの始まりか? 関川の終わりに近づくと右側に公園がありトイレを済ませる人もいる。また水場もあるので補給する人もいるようだ。その先の駐車場でランナーに向かって応援している1人の男性がいた。なんとなく見たシルエットにメガネ。もしや?Vanさんだ!サロマ湖にもバイクツーリングで応援に来てくれたことがありました!後で話を聞くとその前には丹後ウルトラもバイクで応援に駆けつけていたようです!ありがとうございました! サプライズな応援に感動した後、後方から迫る有里さんを待ってからスタート!いよいよ再び登り!途中蕎麦畑に咲く満開の花が綺麗だった。有里さんとはまたエイドで会えるので、自分のペースで歩く。ひたすらひたすら歩く登坂。下を見やれば上がってくる有里さんの姿が見え隠れする、かなりの勾配だ。 登り切ると今度はフラットな感じで走れるトレイルになる。しかし登りで頑張り過ぎたか?平坦になってもなかなか走れない。何人かに先に行ってもらいながら歩を進めた。途中には、気持ち良さそうな小川があったので、で火照ったカラダを冷やした! すると50キロの標識が! 50キロ 7時間34分36秒 1時間20分57秒 あれ?早くないか?関川を走れたにしてもこんなに速く走ってはいないだろう?でも速かったのかな?有里さんと地図を確認し、第1関門は52キロ。あと2キロで50キロを過ぎれば登りはないことを確認し、スタートした。あと15分と思えば下りは気持ち良く走れそうだ! と、10分もしないうちに・・・なんと木段の登りが!マジっすか!?やっぱりさっきの50キロが違っているようだ。しばらく登りが続き当然脚は進まない。登り切ればあと2キロと思うが距離表示も10キロごとなのでどのくらいか見当もつかない。ようやく下りになり走れる場所も精神的ダメージが大きく早歩きでしか進めなかった。 それでもなんとか第1関門に到着!50キロ表示から44分も掛かっていた。 ようやく到着した第1関門!スタートするランナーとすれ違い、アシスタントポイントに到着した。 ここでは笹寿司が用意されている。お腹も空いてきて、距離は半分を越えたが、時間にしてはまだまだだ。まずはハイドレーションにやかんから水を入れてもらう。そのやかんを持つボランティアの方はお客さんだった!『あれ?走ってたんですね!』と自分がいることに意外な反応。トレイルのイメージはないようで。 休憩のイスがあったので普段のウルトラでは座らないのだが、ドッシリと腰を据えた。そこへ西野君が登場!『50キロから40分掛かりましたよ~!もう!』先行していた有里さんは『先にゆっくり歩いてます!後で追い付いてください!』と長い登りが続くのでスタートしていった。 自分は西野君と話をしながら休憩し、トイレを済ませてからスタート!次の林道は5キロ弱とかなり長い。根気よく進むしかない!『じゃあお先に!』次のアシスタントポイントは66キロ過ぎの第2関門乙見湖だ。 関門を抜けるとそこは霧ヶ峰のコスモス畑だった。試走の画像ではさら地だったこの場所が見事な景色に変わっていた。しかし平らなところはない。 ゆっくり休んだものの、走って登るほど回復はしていなかった。正直走れたが、ここは体力温存と決めて、早歩きに徹した。 すぐに林道の入口を迎えこの先こんなに長く続くとは思いもしなかった。ひたすらの砂利道!普段はトラックが砂煙を上げながら走るのが似合いそうなこの林道。行けども行けども終わりは見えず、1時間15分を過ぎてもまだ登り続けていた。走っていればこんなに掛からないのだろうが、無理です!途中有里さんを1時間くらいで確保し前に出た。 ようやく分岐点にスタッフが見え、送電線に沿うように山の中に入っていくトレイルとなった。『あ~このフカフカな感じが懐かしい!』1時間30分くらい登っただろうか?長かった。後半にも黒姫に向かう林道約4キロがあるが、こんなんじゃどうにもならないな。とりあえず走れる所は走らないと! 第1関門が52キロぐらいだったから林道を終えて58キロくらいかな?60キロが待ち遠しい。そしてトレイルは下り勾配に。今までの登りはなんだったんだ!と言うくらい、徐々に山の中深く入り込んだ。行き先案内には『西野発電所』の文字が。そうか、あの『2人以上で渡ってはいけない』橋がある場所だ。川があると言うことは、1番下まで降りるってことだ!おいおい・・・その後は当然登りだし・・・。 コースは徐々に暗くなり足元には岩がコケを帯びて滑りやすくなっている。その先に60キロポイントが見えてきた。 60キロ 10時間00分56秒 2時間26分19秒 コースの6/10を走り切り、時間が10時間を回ったぐらいなことに安心した。あと40キロで11時間掛けられると。ここでトラブル発生!なんと心拍計ポラールのメモリが一杯になってしまったのだ!どうしてだ?サロマや高尾マラニックのデータは消えているはず、電池切れではない。はっと気が付いた!お店の接客の中でデモンストレーションをこれを使ってやっているから、1分もとっていないデータが貯まってしまったのだ!なんたる初歩的なミス・・・悔やんでも仕方ない。これからのラップはデジカメで撮っていこう。 60キロを過ぎてからの山の中は後ろから来るランナーはいない。これはいいペースで進めている証拠か?いや先程の林道で抜かれただけだ。しかし周りは気にしない。自分のペースを守るだけだ。所々にスタッフがいて注意を促してくれるので安心だ。 なんとかぬかるみなどもクリアし、川の音が聞こえる下へと降りてきた。陽射しの注ぐ森の外は緑が綺麗に見えた。下りは終わりだ! 西野発電所に到着。すると例の橋が・・・1人で渡ることになったので、心配はしなかったがかなり揺れる。歩きながら写真をパチリ! さあこの後は!来ました!巨大ミミズとも言われるこの景色。 スイッチバックで登ることも聞いていたが、一体どこまで? 足場は滑り止めのネットが張ってあったので踏ん張りは効く。山の中よりは先の見える登りなので、一気に行きたいところだが、呼吸はアップアップだ。 ミミズと平行してトロッコのレールがあり、そこを横断。 上を見るとまだ先は見えないが、次の横断で10メートル先に頂上が見えてきた。 『ハァ、ハァ!』と上がる呼吸と大量の汗。『フゥ!』と息をついて辿り着いた。『お疲れさまでした。この先はトレイルに入りますよ!足元も柔らかいですからね。マイペースで頑張ってくださ~い!』『ちょっと休憩していきます!ハァ、ハァ、ハァ。』 座ることはなかったが、足を広げストレッチと水分補給で呼吸を落ち着かせる。ちょっと低血糖な感じにもなってきたので、カーボショッツを注入!ここまでカーボショッツは控えていたが、エイドではない場所での緊急には役に立つ。 とりあえず歩きながら回復を待とう。緩やかならば走れるはずだ。再び暗がりの森の中に脚を踏み入れると、久しぶりにフカフカな感触が戻ってきた。遊歩道になっていて霧ヶ峰の牧場まで続いているようだ。途中、東洋大学のランナーが追い越していった。それに刺激され走り出す。彼は5キロコースと書かれた分岐で違うコースに別れた。それ以前に姿は小さくなっていたが・・・。 左折すると視界が開けて来た。ここが本来第2関門の予定だった霧ヶ峰牧場だ。先程の東洋大学のコーチとマネージャーが給水ポイントとして準備している。また信越五岳のスタッフは通過ランナーのナンバーをチェックし報告しているようだ。 牧場に入ると足元はウッドチップに変わった。林道よりは足には優しいが、まだ走るまでの回復はしていないので歩いて牧場内を通過する。前後のランナーも歩いている人が多い。 空には分厚い雲が立ち込めているが、まだ雨の心配はなさそうだ。気温も高く寒さを感じることはない。歩きも早歩きで進んでいるので、前との間隔も詰まってきている。あと2キロぐらいで第2関門に到着するはずなので、このまま行けば11時間30分くらいで到着できそうだ。(17時:関門時間は18時)これならば予定通りだ。着替えなども含め30分くらい時間を取りたい。 ドロップバックのポイントで何をするか、頭の中で考えながら歩を進めた。後半用のスペシャルなど補給食の詰め替え、ライトや防寒具など夜間ランへの準備をする。そうこう考えていると徐々に下り勾配になってきたので、自然と気持ち良く走り出した。少し開けた広場の先にはカメラマンが! キャンプ場にもなっているので、子供達が何かを持って『塩とマヨネーズどちらがいいですか?』と聞いてくれた。ありがたく『じゃあ塩で!』と、ホクホクのじゃがいもを頂いた。その先第2関門の乙見湖はすぐそこだ! 関門入口にはエイド・ドロップバックの矢印が別れていたので、ドロップバックに向かってしまうと、ナンバーカードからランナーを紹介しているMCの方に『ナンバー345番の姿が見えたかな・・・?』とちょっと肩透かし(苦笑)。『こっちで~す!』とアピールした。 ドロップバックを貰い、アートスポーツスタッフが迎えてくれた。『健!お前速過ぎるんじゃないのか!?』と心配された。『いや予定通りですよ!この後、時間が掛かるんで貯金です!貯金!』到着は予定通り11時間30分を経過したところ。まずは着替えだ! 信越五岳トレイルランニングレース激闘記~第1章~ 信越五岳トレイルランニングレース激闘記~第2章~ 信越五岳トレイルランニングレース激闘記~第4章~ ジャンル別一覧
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